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JR西日本、モバイルICOCAで利用回数を問わないポイント付与はじめる。

 JR西日本は、令和7年7月1日火曜日からモバイルICOCAでの自社線利用でWESTERポイントを運賃の1%付与する施策を実施しています。

特筆すべき点は、利用回数や利用時間を問わず、運賃の1%のポイント付与を実施するところ。

 この施策から見える、JR西日本の狙いを考えます。

 

施策の概要

 モバイルICOCAApple PayのICOCA(以下、両者をまとめて”モバイルICOCA”と表記)でJR西日本の在来線を利用すると、運賃の1%相当のWESTERポイントを付与されます。

 ICOCAアプリに登録されているモバイルICOCAが対象で、エントリーなどの手続きは不要ICOCAアプリでWESTER IDでのログインが行われていれば、自動でポイント付与を受けられます。

 JR西日本ICOCAエリアの駅で、自動改札を入出場することが条件。JR西日本の線区以外での利用や、JR西日本の線区であっても定期券での利用は対象外です。

 

他の施策も有るけれど

 JR西日本が運賃に対してポイント付与を行うのは、これが初めてではありません。

既に終了していますが、かつてWESTERポイントが始まる前、J-WESTポイントだった時代には、SMART ICOCAでの自社線利用で、運賃の0.5%のJ-WESTポイントを付与していました。ちなみに、J-WESTポイントがWESTERポイントに変わるのを待たずして、付与は終了しています。

 平成30年(2018年)10月には、昼得きっぷ(昼間特割きっぷ)の発売終了と合わせてICOCAでの乗車によるポイント付与を開始しています。昼得きっぷの性質をICOCAに引き継ぐ形で導入され、現在も「時間帯指定ポイント」として提供されています。こちらでは、平日の指定時間帯や土日祝に、同一の区間を1ヶ月に4回以上利用した場合、4回目以降の運賃の10%のポイントが付与されます。ちなみに令和5年(2023年)3月までは30%または50%の付与率でした。

 令和3年(2021)年10月には、ICOCAエリア相互発着となる普通回数券の発売終了と合わせて、「利用回数ポイント」を開始しています。こちらでは、同一の区間を1ヶ月に11回以上利用した場合、11回目以降の運賃の10%が付与されます。ちなみに令和5年(2023年)3月までは15%の付与率でした。

 

 上述したように、これまでのJR西日本の運賃に対するポイント付与は、回数割引の代替という性質が強く、単純な”利用時間帯や回数を問わず、運賃の何%のポイントを付与”といった施策はSMART ICOCAでの施策のみでした。今回のモバイルICOCAでの施策は、SMART ICOCAでの施策を形を変えてパワーアップさせたものとも言えると思います。

 

背景

 交通系ICカードは乱立しており、各社が各社の縄張りで普及を進めています。その一方で、どのサービスであっても全国どこでも使えるようになり、自社のサービスではなく他社の交通系ICカードが使用されることもあります。東京でSuicaを使っている人は大阪でもSuicaを使えますし、大阪でICOCAを使っている人は東京でもICOCAを使えます。しかし、他社のサービスを利用されると手数料負担が発生しますし、囲い込みの観点からも事業者としては好ましいとはいえないでしょう。

 

 JR東日本は、Suicaでの自社線利用に対してカード型Suicaは運賃の0.5%,モバイルSuicaApple PayのSuicaに至っては運賃の2%ものポイント付与を行っています。東急電鉄PASMOSuicaや自社クレカである東急カードでの自社線利用で運賃の3%のポイント付与を行っています。これらに共通することは、ポイントサービスを武器に、自社にとって望ましいサービスの利用を推進していることです。

 ”ポイ活”という言葉がすっかり市民権を得て久しい昨今、ポイントサービスを武器に自社のサービスで会員を囲い込むことはすっかり当たり前の情勢になってきています。JR西日本としては、今回の施策で日常的に利用してもらえる層に対して、カード型のICOCAPiTaPaからモバイルICOCAへの移行を進め普及を図るとともに、ポイントサービスの強化でSuicaPiTaPaなど他社のサービスで利用していた層に対して、自社が提供するサービスで利用してもらうように誘導する狙いがあるのではないでしょうか。そう高頻度で利用するわけでもなく(利用回数によるポイント付与の恩恵がない)、グループの商業施設や通販サイトでもあまり恩恵を受けていない層に対して、今回の施策で恩恵を受けてもらいその次に…と誘導することで会員基盤の強化を図る”玄関口”としての役割も狙っているのかもしれません。

 

JR西日本の特設ページ

www.jr-odekake.net